目次
ボール遊びにも本能が現れる理由
犬は野生動物として生きていた遠い昔、獲物を追いかける事が大切な仕事でした。その記憶が今は遊びの中にも色濃く残っています。
犬の大好きな遊びでボール遊びがあります。
ボールの様に動くものを追いかける事が大好きで、実際に狩りをしなくても猫やネズミ、小動物を見つけると本能が目覚めたように追いかけようとします。
散歩中にこうした場面に遭遇した場合は、無理に追うのを止めさせようとはせずに、黙って方向を変えるなどをして、気にしていないふりをするのが無難です。
叱りつけると、がんばって追いかけろと言われたように勘違いしてしまいます。ドッグランでボール遊びをするなど、リードなしで走り回ってエネルギーを発散させてあげましょう。
特殊なボールの遊び方。
元々スキンシップが嫌いな理由
犬は本来、近くに心から頼れる仲間・リーダーがほしい生き物です。
抱きしめようとすると暴れて逃げようとする犬がいますが、仲良くスキンシップをする為には、子犬時代の扱いが大切です。特に生後3ヶ月くらいまでは、様々な事を受け入れる柔軟性に富んでいます。
この時期に人がどこを触っても嫌がらないように習慣づけ、愛情を注いで子犬からの信頼を勝ち取る事が大事です。
赤ちゃん犬の頃から可愛いからと甘やかすだけではなく、成長した姿を考えながらしつけを始めていきます。
毎日のように時間をかけて体全体を順番にやさしく触ってあげると、やがてスキンシップが大好きな犬に育ち、固い信頼関係を作ることが出来ます。
家の中で隠れる理由
犬は狭い所や机の下に隠れている事があります。なにかの拍子に部屋の隅やソファーの下に身を潜めたりする事もあります。
これは野生時代の習性で、敵から見つからない様な場所を見つけて隠れてしまったのだと思います。
犬は本来はそういう場所が好きな動物ですが、長い時間ずっとそこばかりにいるとしたら問題です。
何かおびえる原因があって、本能の命じるままに隠れてしまうのでしょう。しかし敵のいないはずの家の中で何から身を守っているのでしょうか?
家の外から普段とは違った大きな音(雷や打ち上げ花火、工事音など)や、テレビからの不快な音など色々な理由があります。
怖くて隠れている時には無理やり引っ張り出したり、叱ったりしない事です。落ち着くスペースを見つけて、安心しているのだと認識しましょう。
気にせずに放っておくとそのうち自分から出てきますが、あまりにも怖がっている場合は飼い主が声をかけてあげて落ち着かせてあげましょう。
掃除機を使い始めるといつも隠れてしまうなどの原因がはっきりする場合は、出来るだけ配慮してあげてください。
犬との信頼関係を築けないままに家で自由にしている犬は、実は常に不安で緊張した生活をしている可能性があります。不安を取り除くには犬に絶対的安全地帯を提供してあげるのが飼い主に必要なことです。
具体的には体のサイズに合った広すぎないサークルに、屋根付きベッド、飲み水やトイレ、おもちゃなどが必要です。
犬の心を穏やかにするので、落ち着いた性格になっていきます。
玄関のチャイムが鳴ると吠える理由
犬が吠えるのは自分の縄張りを守る為。これが最大の理由でこれは本能的なものです。
玄関のチャイムが鳴り宅配便の人が来た時に吠えるのは、あやしい侵入者を撃退している気分になるのです。配達が終わって宅配便の人が帰った事を、自分が吠えて追い返したと勘違いしている状態です。
チャイムが鳴ると訪問者が来るのを学習するので、侵入者を追い返そうと吠えまくります。
この様な行為を何度も繰り返すと行動が強化され、チャイムの音に吠える癖がつきます。これは条件反射で吠えるようになっているのです。
家は飼い主家族と自分のテリトリーなので、訪問者はいわば縄張り荒らしなのです。盛んに吠えて飼い主に知らせ、追い返そうとするのは犬にとっては当然の行為なのです。
この本能的な行為を止めさせるのはちょっと大変です。家を守っているのに飼い主に叱られると、犬は混乱してしまいます。
そこでチャイムが鳴って犬がワンワンと吠えたら、すかさず頭をなでて褒めてあげます。スキンシップを通じて1回吠える事で、役割が終わったと教え込むのです。
またはチャイムが鳴って吠える時にハウスにおやつを置いてハウスに誘導しましょう。これを繰り返してチャイムが鳴ると、ハウスにおやつが置いてあると思わせる事が出来ます。
チャイムの音にあまりにも反応する場合は、徹底した無視作戦も効果的です。知らん顔をして、犬が吠え終わった後で褒めます。
吠えなければ褒めてもらえると学習すれば、徐々に吠える癖はなくなります。
ウンチを食べてしまう理由
犬の行動の中でも驚くものは、ウンチを食べる事でしょう。人間と違って犬にはもともとウンチが汚いものという認識がありません。
なかでも子犬は自分の出したウンチが珍しくて、遊び半分でにおいを嗅いでいる内に食べてしまう事もあります。子犬の頃は、ウンチをしたらすぐに片づけてしまします。
最近のドッグフードにはいい香りがあり、ウンチにもその香りが残っている為に興味を持つようです。
初めてウンチを食べる姿を見た時はかなり驚くと思いますが、異常な事ではないと認識しましょう。
たまたま興味をもってウンチを食べた時に「飼い主が大騒ぎして叱られた=かまってもらえて嬉しかった」という学習で食フンが始まるケースもあるのです。
もともと犬には拾い食いをする本能が備わっています。それは空腹に耐えながら生きていた野生時代の名残なのですが、臭いの強いウンチを目の前にすると、その本能がよみがえりつい食べてしまうのです。
健康上は害はないと言っても、あまり良い事ではありません。ウンチを食べない対策をしていきましょう。
食事の時間を調整して、家族の誰かがいる時にウンチをさせてすぐに片づけましょう。家でウンチをする習慣のある犬も同じ要領です。
まずはウンチを放置しておかない、散歩のとき以外はウンチをさせない習慣をつけると自然に解決していきます。
シャンプーの香りが嫌いな理由
ほとんどの犬は生まれつき泳ぎが得意です。水遊びが大好きな犬種もいるほどなので、お風呂へ入れるのは比較的楽だと思います。
ところがシャンプーをして洗ったとたん、すぐに床やカーペットの上で転げまわったり、ソファーに体をこすりつけたり、時には庭を転げ回ったりなど・・・。
飼い主としてはせっかくきれいにしたのにと叱りたくなります。でも叱る前に犬の気持ちを考えてみましょう。
そもそも犬はシャンプーや石鹸の香りより、自分の匂いが大切なのです。他の犬と出会った場合に体臭で存在をアピールしているのです。
犬の嗅覚は鋭いため人間にはほのかないい匂いでも、犬にとっては臭くてたまらないのです。
その為に、体臭がシャンプーや石鹸の香りに邪魔されるのは一大事です。すぐに自分の匂いの残るカーペットなどに体をこすりつけたりして、体臭を取りもどそうとしているのです。
どうしても気になる場合は、ブラッシングをこまめにしてあげてシャンプーの回数を減らしてあげたり、シャンプーの量を減らしたり、無香料タイプのシャンプーを使ったり、水洗いだけにするなどの工夫で転げまわる回数が減ると思います。
夜中の遠吠えをする理由
映画やドラマなどで夜に聞こえてくる犬の遠吠え。野犬に襲われるのではないかと恐ろしい気分になりませんか?しかし、遠吠えとは「さびしい」という気持ちの現われなのです。
都会に住んでいたとしても、どこかから犬の遠吠えが聞こえてくることがあります。もしもそれが自分の愛犬で、住宅密集地に住んでいるとしたらご近所からの苦情が心配になり、なんとかやめさせたいと思うはずです。
この遠吠えの回数が増えていたらご近所に迷惑というだけではなく、犬の心理状態にも要注意です。
遠吠えは野生時代からの習性で、仲間とはぐれた時などに「ここにいるよ」「寂しいよ」と伝える為だといわれています。犬にとっての仲間は飼い主家族なので、飼い主に「寂しいよ、帰りが待ち遠しいよ」と訴えているのです。
何か思い当たる事がありませんか?。犬がひとりでいる時間が増えていたり、コミュニケーションが不足しているなど。
外で飼っている場合はハウスの位置を変えてみましょう。犬はひとりきりだと寂しくて不安になります。玄関先ではなくできればリビングの庭先など、飼い主家族の気配や様子が見える場所にハウスを置いてあげてください。
またサイレンや大きな音に反応して、遠吠えを始める犬もいます。この場合はきっかけとなった音が消えればおさまるので問題はありません。
いずれにしても遠吠えは叱ってやめさせるものではなく、原因をつきとめて対処する事が大切です。
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