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先頭を歩くのはリーダーだと思っている理由
何気ない普通の散歩の光景にも飼い主と犬との関係が反映されています。犬が飼い主より先に歩いて、リードをグイグイと引っ張っている光景を街中でよく見かけると思います。
飼い主からしてみれば、散歩が大好きなのだから散歩の時くらい好きにさせてあげたいと思うのでしょうが、これは危険信号です。
犬が先頭に立つのは自分がリーダーだと思っているからです。飼い主を散歩に連れ出している気分になっています。
勝手気ままに行動をさせていると出会い頭の危険や、拾い食い、除草剤などの毒物を口にする怖れもあるので止めましょう。
やがて散歩以外でも飼い主の命令に従わないわがままな犬になってしまいます。
自分がリーダーだと勘違いした犬は、意外に散歩中もストレスがいっぱいなのです。責任感の強い犬は飼い主を守ろうとする為、常に周りに気を配った緊張状態にあります。
自由に歩いているようで、実はそれほど楽しんでいません。飼い主を信頼して人のペースに合わせる事が犬にとっての快適な散歩なのです。
逆に飼い主の後ろばかりを歩いている犬は不安を感じながら、飼い主を盾に歩いている状態で、危険を回避しようとしている可能性があります。
犬がお互いのお尻の匂いを嗅ぐ理由
散歩中に出会ったよその犬に、飼い主が「お友達よ~」と積極的に対面させようとしているシーンを見かけますが、基本的に犬にとっては迷惑な事なのでご注意ください。
知らない犬に対しては不安と警戒心がいっぱいなので、吠えてビビらせて優位性を示そうとしたりする犬もいます。
犬同士がお互いのお尻を嗅ぎあっている事がありますが、これは犬にとっては大切なあいさつです。犬の肛門には独自の匂いを放つ肛門腺という器官があります。
相手の犬がここから発するにおいで性別や年齢、どんな性格なのかなど、様々な情報をお互いが認識します。犬にとって自己紹介みたいなものです。とくに初対面の犬同士は、積極的に匂いを嗅ぎあった方が仲良くなれるようです。
ところが生後すぐに母犬や兄弟から離れ、人の手だけで育てられるとこうした犬同士のコミュニケーション方法を知らずに成長します。そうすると初対面の犬同士のコミュニケーションがうまく取れなくなってしまいます。
現代の日本では多くの子犬があいさつのルールを教わらないまま各家庭にはいるため、本来幼児期に親兄弟とのふれあいの中で知るべきことを知らずに育ってしまいます。
飼い主が犬の初対面のあいさつ方法を知らないとトラブルを起こしかねないので、飼い主も犬のルールを覚える事が必要になると思います。
ドッグランや散歩などを通じて飼い主だけでなく犬社会にふれさせることも、友達や仲間が増えて犬にとってもうれしいものです。
交流が下手な犬ならまず同性で穏やかな性格の犬を選んで、あいさつの訓練をさせてもらいましょう。徐々に他の犬とのコミュニケーションの取り方を学んでいくはずです。
他の犬に吠えてしまう理由
散歩中に他の犬を見かけるたびに吠えだす犬がいます。お尻の匂いを嗅ぐといった犬同士の挨拶どころではありません。これでは飼い主にとっても他の犬と出会うのが苦痛になってしまいます。
考えられるのは社会性を身につけないまま大人になったケース。母犬や兄弟と早くに離され、ずっと飼い主の家の中で育ってきた犬です。他の犬とのコミュニケーションが取れない為、過度に緊張し攻撃的になってしまいます。
動物には全てパーソナルスペース(安全距離)という感覚があります。これは無意識の内に他との距離を置くスペースのこと。
危害を加えられる事を避け、いざとなれば逃げられる距離を保とうする目的があります。
スペースの広さは社会経験で変わり、知らない犬にどんどん近づけるのはこれまでに嫌な経験がない自信がある犬たちです。反対に遠くに犬が見えただけで逃げたりするのは嫌な経験があったり、社会化不足なためです。
赤ちゃん犬を迎え入れた時は、生後2~3ヶ月をすぎた頃から外へ連れ出しましょう。近所の犬や人にたくさん会わせる事で、自然に社会性を身につける事が出来ます。
どうしても吠えるのをやめない場合は、他の犬が見えたら座らせて落ち着かせます。他の犬が前を通っても吠えるのを我慢できたら褒めてあげましょう。吠えないと褒められる事を犬が学習出来るようにしてあげましょう。
寒くないのに体を震わせる理由
散歩の途中で突然、犬がブルブルと体を震わせる事がないでしょうか?まるで体が水に濡れた時の様に。寒くなったから?体がかゆいから?そうではなくストレスの場合があります。
そのままもう少し散歩を続けると、他の犬とケンカをした場所の方向だったり、痛い思いをした動物病院があったりします。
頭のいい犬は以前の出来事をよく覚えているものです。身体をブルブルと震わせるのはちょっとした拒否反応です。嫌な思い出があるからそっちには行きたくないと意志表示しているのです。
動かないほどでなければそれほど強い意志ではないようですが、ブルブルに気が付いたら犬の想いに気をつけてあげましょう。
散歩に限らず家の中でも、意志に反して嫌な事をされそうだとやはり体を震わせる事があります。
もちろん身体にものがいっぱいついた時などは体をブルブルします。
トラウマが原因で吠えてしまう理由
他の犬に向かって吠える理由は社会性の欠如の他にも原因があります。子犬の頃や以前に怖い体験がトラウマになっている場合です。
大きな成犬や性格の荒い犬に吠えかかられたり、噛みつかれたりした事はないでしょうか?
散歩中に吠える様子をよく観察してみてください。毛が立っていたり体が震えていたりと、おびえた状態で吠えていたらトラウマの可能性が高いです。
他の犬と出会った時に怖かった経験を思い出し、いわば恐怖心から吠えてしまいます。
他の犬が近づいてきたら、一度座らせて落ち着かせる事でトラウマの解消をめざします。自分が吠えずに座っていると、相手の犬も吠えずに通り過ぎる。
何度も経験すると徐々に吠えなくなってくるはずです。もちろんよく出来た時は頭をなでて褒めてあげましょう。
別の理由として他の犬に吠えかかるのは、飼い主を守ろうとする理由もあります。
犬がわがままな行動をする理由
特に理由が思い当たらないのに、犬が飼い主に抵抗しているように見えたらそれは問題行動です。
例えば自分の行きたい方向と違うからと座り込んでしまう。こういうケースは明らかに、散歩の主導権を自分が握ろうとする行為。このままでは飼い主の指示に従わないわがままな犬になってしまいます。
ここで大切なのは犬が何に不満なのかをよく観察し、只のわがままならその思いに答えない事です。
散歩の主導権は飼い主が握り、社会化不足で散歩を怖がる犬でもこの人についていけば安心で楽しいと思えるように工夫をしてあげましょう。
心配して優しい声をかけたり、おやつで気を引いたりすると、座り込めばかまってもらえると思って癖になります。
飼い主は自分の足などを犬の体に軽くぶつけて、リードを引いて促して散歩を続けるといいでしょう。散歩の主導権は犬ではなく飼い主なのです。
ただし、体調が悪かったり、怪我をしている可能性もあります。普段から犬をよく観察し、異変を感じたら迷わず病院へ行き獣医師に相談しましょう。
散歩中に急に動かなくなる理由
いつもは元気よく散歩するのに、急に立ち止まってしまう犬がいます。なにかの異変があったのでしょうか?
これにはいくつかの理由が考えられます。まず周辺に何事もないようなら、ガラスの破片などで足の裏をキズつけていないか、見てあげてください。
また体調に問題がありそうなら、散歩をやめてすぐに家に帰って様子を見てあげましょう。散歩コースを変えてみた時は、いつもと違った光景や騒音などに怖がっている事もあります。
いつもの散歩コースでも工事中などで様子が変わっていると、犬は立ちすくむことがあります。別な道を選ぶか、しばらくその場で待ってあげるのも一つの手です。状況がわかって落ち着いてくると、自分から歩き始めます。
他の理由として、疲れたふりをして抱っこをおねだりする犬もいます。以前に抱っこをしてもらった経験から飼い主に自分の主張が通るのか試している場合も。
目的はオシッコよりマーキングの理由
犬の本能として排泄物は自分の存在を外敵に知らせる証拠になるので、できるだけ縄張りから離れて用を足そうとします。
逆に十分社会化され、家の外に不安の少ない犬はトイレの場所にこだわりを持ちません。
犬にとってのオシッコは単なる排泄行為ではなく「マーキング」という野生時代からの習性です。
生理現象としての排尿とマーキングは犬にとっては別ものです。
縄張り意識の強かった犬の祖先は、自分のテリトリーにオシッコをかけてあちこちに匂いを付けていました。
散歩中のオシッコはこのマーキングの意味があります。電柱や道路の端などの匂いを嗅いでいるのも、自分のテリトリーにどんな犬が来たのかを確かめる為です。
そこに他の犬の匂いが残っていたら、自分のオシッコを上からかけて「ここは自分の縄張りだ」と改めて主張しているのです。
都市部や住宅街ではオシッコは迷惑行為。場所を出来る限り選んで、マーキングさせるよう努力しましょう。道路でオシッコをした場合は、水をかけるなどのエチケットが必要で、街を汚さない事が社会的にも求められています。
散歩は犬のトイレタイムではありません。健康を保つために欠かせない運動の時間です。できれば排泄は家の敷地内の決めた場所でさせるようにしつけましょう。
犬は人間の子供が苦手な理由
子供が近づくと反射的に吠える犬がいます。これはその犬が特別攻撃的な性格だからではありません。
たいていの犬は子供が苦手です。無邪気な子供は犬が本質的に嫌っている行動をストレートにぶつけてきます。突然犬に近づいて来ることが多く、犬が驚いてかみついて怪我でもさせたら大変です。
まず子供の大きくて甲高い声は聴覚の優れた犬には不快な音なのです。特に犬に慣れている子供は、自分の家の犬と同じつもりで一気に駆け寄ってきます。犬にとっては知らない子供が一気に近寄ってくるので驚いてしまうのです。
いきなり立ったりしゃがんだりとせわしなく動くので、犬からすると行動の予測がつかず、警戒心を持ってしまうのです。
さらに無防備に手を差し出されると、襲われると勘違いしてしまいます。さらにベタベタと触ってきたり、力まかせに抱きついたりなど子供の行為そのものが、まるで犬にとっての敵のようなので、反射的に吠えてしまうのです。
子供が近づいてきたりしたら、飼い主がうまく間に入ってあげましょう。
イノシシを見つけると追いかけてしまう理由
狩猟本能です。
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